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「少年の君」いじめを背景にした純愛の美しさ

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ずっと以前からお気に入りに入れていた作品を。アマプラで。

「少年の君」

https://eiga.k-img.com/images/movie/94423/photo/db87d8faa929bc77/640.jpg?1624504625

映画.com

進学校に通う高校三年生のチェン・ニェン(チョウ・ドンユィ)は受験を控えひたすら勉強に取り組む毎日。殺伐とした校内でかねてからいじめられていたクラスメートが飛び降り自殺するという事件が発覚。新たないじめの矛先がチェン・ニェンに向けられるように。学費の為犯罪まがいの商売をする母親との二人暮らしで他に頼る人のいないチェン・ニェンは、ある日下校途中に集団暴行を受けている不良少年シャオベイと知り合い、互いに心を通わせるようになる。

学歴社会の中で歪んでいく学生とドロップアウトしていく少年達、学校という閉ざされた場所で繰り返される執拗ないじめと保身の為見て見ぬ振りの生徒達、そして事勿れ主義の大人達、と国は違っても目にする光景は似たようなものかもと思わざるを得ないストーリー。

どこにも逃げ場のない少年と少女が、どこまでも純粋に支え合おうとする姿は痛々しくて切ないほど。チンピラと優等生の「純愛」というと陳腐に聞こえるかもしれないけれど、夜の闇の中をバイクで疾走する二人はキラキラと光って見えるカメラワークは印象的。

古びて貧しい建物や繁華街のネオン、街の雑踏とそこから浮かび上がるような少年と少女の「無垢」な存在が、陰湿なテーマとは対照的に美しかったです。

目を覆いたくなるようないじめは悲惨なシーンではあるけれど、心がふっと軽くなるような救いのあるラストは良かったと思います。

ありきたりの反応しか示さない大人たちの中、二人を何とか社会と繋ぎ止めてやろうと奮闘する刑事も良かった…こういう存在が本来求められているのだろうけれど…

一貫して圧倒的な演技力のチョウ・ドンユィちゃん。実はこちらの映画の方で先に観ていました。

minonoblog.hatenablog.com

王一博の相手役で出ていたものの登場シーンもセリフも少なく少々残念な扱いだったかと。「少年の君」の予告編を覚えていたので「まぁ大きくなったのね」と思ってみていたのですが、1992年生まれの彼女、本作「少年の君」製作時は既に27歳。驚異の童顔と演技力で高校生にしか見えませんでしたよ。

彼女の涙いっぱい目にたたえた笑顔を見るだけでも価値ある一作だったと思います。

 


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